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クラフトビール導入におけるOEMとブルワリーの違い

クラフトビールが注目を集める今、自社でもクラフトビールを導入したいという企業・施設は少なくありません。せっかくクラフトビールを造るならオリジナルの商品を開発したい、そういった場合の選択肢には「OEM醸造」と「ブルワリー開業」の2つの方法が挙げられます。ここでは、OEMとブルワリーの違いについて解説していきますので、情報を参考にしてみてください。

目次

OEM醸造とそのメリット

OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略称で、他社ブランドの製品製造のこと。クライアントの名義やブランド名を冠した商品の製造を、委託されたOEM会社が代わりに行うというサービスです。クラフトビールの場合、OEM醸造を手がける企業がクライアントの希望するビールを製造し、納品するという形になります。そんな、クラフトビールのOEM醸造のメリットは以下の通りです。

小ロットで本格的なクラフトビールを造れる

クラフトビールのOEM醸造を行っている企業の多くが、小ロットに対応しています。初めてクラフトビールを導入するといった場合、いきなり大量に製造するのは不安が残るもの。そういった場合、OEMであれば小ロットからスタートして顧客の反応をチェックすることができます。また、マイクロブルワリーの導入が難しい店舗などであっても、OEMを利用すればオリジナルのクラフトビールを提供することが可能です。

オリジナルのビールをプロが開発してくれる

クラフトビールのOEMを手がけているメーカーには、その道に詳しいプロフェッショナルが在籍しているものです。OEMでは、「どのようなビールを開発したいか」「どんな原料を使いたいか」といったヒアリング内容に基づいて、ビールのプロがレシピを設計。プロの手によってオリジナルビールが開発されるため、失敗も少ないと言えるでしょう。

初期費用を抑えられる

OEMでクラフトビールを開発・製造する場合、醸造に必要な設備を揃える必要がありません。もちろん、酒造に関する免許や許可を取る必要もないため、クラフトビール導入における初期費用を大幅に抑えることができます。ただし、OEMの場合は製造したビールの配送コストがかかってきます。

ブルワリーとそのメリット

ブルワリーとは、ビール醸造所のこと。マイクロブルワリーとは、小規模なビール醸造所を指します。日本国内でマイクロブルワリーが増え始めたのは1990年代以降で、設備に関する明確な規定はありません。数多くのマイクロブルワリーが見られるアメリカでは、「年間の製造量が180万リットル以下で、外部販売が75%を占める醸造所」と規定されています。そんな、日本でも増加しているブルワリーのメリットは以下の通り。

オリジナルのビールを自由に開発・製造できる

2018年に酒税法が改正され、麦芽・ホップといった主原料以外に、副原料としてスパイス・果実・ハーブ・野菜などを加えたものでも「ビール」として認められるようになりました。つまり、ブルワリーを開業すれば土地の特産物やユニークな副原料を使ったオリジナルのビールを開発・製造できるということ。他社や多店舗に差をつけることができ、集客も期待できるようになるでしょう。

造り立てのクラフトビールを提供できる

マイクロブルワリーに飲食店を併設すれば、ブルワリーで造ったばかりのフレッシュなクラフトビールを提供することができます。他のお酒と違って、ビールは出来立てが一番美味しいとまで言われているため、これは大きなメリットと言えるでしょう。さらに、オリジナルのクラフトビールに合わせたメニューを開発すれば、客単価アップも期待できます。

物流コストがかからない

マイクロブルワリー併設の飲食店であれば、造り立てのクラフトビールをすぐに店舗で提供できます。つまり、物流コストが一切かからないのです。一般的に、ビールを仕入れて提供するとなると配送料がかかってくるためそれを価格に上乗せしますが、物流費ゼロのブルワリーであれば手ごろな価格設定も可能。リピーターやファンの獲得にもつながるでしょう。

土地や余剰スペースを有効活用できる

店舗や施設、企業などで使用していない土地・スペース・古民家・蔵などがあれば、それを利用してブルワリーを開業することができます。小規模なマイクロブルワリーであれば、6坪ほどのスペースでも開業可能となっています。

編集部まとめ
WITHBEER クラフトビール導入マニュアルウィズビア
お店の規模や売りによって適切な方法を選択しましょう

OEMとブルワリーの概要とメリットについて見てきましたが、OEMの場合は低コストでの導入が叶う反面、物流費がかかります。冷蔵での配送となるためコストが意外とかかり、メーカーによっては樽を返送する際に別途送料が発生するケースも。また、メーカーの工場から店舗までの距離があるとどうしても鮮度が落ちるため、味に変化が生じることもあります。

ブルワリーは開業にあたっての初期費用が比較的高額ですが、飲食店併設型であれば物流費はゼロ。つくりたてで一番美味しい状態のクラフトビールを、その場で提供できるのが魅力でしょう。製造量についても調整がきき、ムダがありません。また、ブルワリー併設という独特の景観が集客の「引き」になることも考えられます。

ここまでOEMとブルワリーの違いについて見てきましたが、総括すると小ロット製造であればOEMのほうがコスト的に有利。中~大ロットになると、マイクロブルワリーに軍配が上がると言えそうです。

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