きた産業の調査によると、日本国内のクラフトビール(地ビール・地発泡酒)醸造所は2022年12月末時点で677ヶ所。
2021年12月末時点では559ヶ所だったため、1年間で118ヶ所も増加していることが分かります。これは1995年から2022年の間で過去最高の伸び率となっており、クラフトビール醸造事業は成長産業と言えます。
日本でのクラフトビールは、1994年、酒税改正法後に「地ビール」として人気が高まりましたが、技術的に味を追求することが難しく、やがて衰退。
その後、技術研鑽の甲斐あって地ビールの品質が向上し、2010年以降、「クラフトビール」という言葉と共に需要が高まりました。
近年のクラフトビール人気を裏付けるアンケート調査を見ると、一時的なブームではなく定着傾向にあり、2021年の売り上げは過去4年間に比べて増加していることがわかります。
ユーザーがクラフトビールを選ぶ理由としては、「普通のビールにはないおいしさがあるから」が73%ともっとも多く、次に「つくり手によるこだわりが感じられるから」が43%、「プチ贅沢ができるから」が41%と、クラフトビールで特別感を楽しんでいる傾向が見られます。
日本でのクラフトビールは、1994年、酒税改正法後に「地ビール」として人気が高まりましたが、技術的に味を追求することが難しく、やがて衰退。
その後、技術研鑽の甲斐あって地ビールの品質が向上し、2010年以降、「クラフトビール」という言葉と共に需要が高まりました。
近年のクラフトビール人気を裏付けるアンケート調査を見ると、一時的なブームではなく定着傾向にあり、2021年の売り上げは過去4年間に比べて増加していることがわかります。
ユーザーがクラフトビールを選ぶ理由としては、「普通のビールにはないおいしさがあるから」が73%ともっとも多く、次に「つくり手によるこだわりが感じられるから」が43%、「プチ贅沢ができるから」が41%と、クラフトビールで特別感を楽しんでいる傾向が見られます。
クラフトビール醸造所を導入する企業は飲食業だけでなく、新規事業の一環として、または地域活性化の取り組みとしてクラフトビール業界に新規参入する企業が増えています。
クラフトビール醸造が盛んなアメリカでは、街ごとに醸造所があると言われているほど醸造所は身近で、地域の主軸産業ともいえる存在。こうした動きに感化され、導入を検討する経営者も少なくありません。
そこで、当メディア「ウィズビア」では、クラフトビール醸造所を導入した経営者の方々にインタビュー取材を行いました。どんな業界から何をきっかけにクラフトビール醸造所を導入するに至ったのか、赤裸々な開業事例を掲載しています。ぜひご参考ください。
人気が高まっているクラフトビール。ここでは、クラフトビール醸造所をビジネスとして導入するメリットについてご紹介していきます。
その土地・その店に行かないと体験できないこと。多店舗との差別化においては重要なポイントです。
その存在にふさわしいアイテムがまさにクラフトビール。ブルワーが丹精込めて作り上げたビールを提供し、ブランディングすることが地域オンリーワンポジションを築く第一歩となりえます。
そのためには、他では味わえないユニークネスも重要。醸造に工夫を凝らす、独自の副原料で風味を追求する、地元の銘水を使用するといった工夫も必要です。
地方の過疎化が進む中、その土地を盛り上げるためには新たな産業が必要不可欠です。その産業とは、一過性のものではなく、地元で長く愛される産業であることもキーとなります。
クラフトビールはたいていの食材が副原料として使用できるため、その土地ならではの食材を使用して特徴のあるビール作りが実現できます。
海・山・高原といった自然、高層階からの夜景、素朴な田園風景といった美しい景色とクラフトビールのマリアージュは、新しい価値として愛される可能性も考えられます。
その土地を訪れた人が楽しみにするもののひとつに、「地域の名産品、特産品を味わう」というものがあります。クラフトビールの醸造所を開設し、その土地の名産品と共に提供できれば、地元生産者の貢献度もアップ。
地産地消ならではの味わい提供することで、ユーザーへの訴求力にもつながっていくでしょう。
その土地の特色を取り入れたオリジナリティあふれるビールは、他店や他施設との差別化を図るために有効なアイテムのひとつ。そこでしか味わえないオンリーワンのクラフトビールは、唯一無二の強みとなり、醸造所は観光客のみならず地元で愛される注目スポットへと進化することが考えられます。
また、クラフトビールを通じてその地域の魅力や食材を知ってもらうことは、地域の活性化や食材生産者への支援にもつながっていきます。こうした魅力が、いま日本でクラフトビール醸造所が増えている理由とも言えるのです。
OEMとは「Original Equipment
Manufacturing(Manufacturer)」を略した言葉で、日本語だと他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)。
クラフトビールにおいては、他の醸造所でビール造りを委託し、自社ブランドとして販売することを指します。
マイクロブルワリーとは小規模のビール工場・ビール醸造所のこと。日本では1990年代より増加。
日本で明確な規定はありませんが、アメリカでは年間生産量が15,000万バレル(約180万リットル)を下回る規模のブルワリーを指します。
ここが違う!
OEMとマイクロブルワリー
仕入れ先からの運送時間や
工場の特徴によって
味に変化が生じる。
小スペースで始められる。
保管スペースの確保は必要。
低コストで導入できる一方で、
物流費がかかる。
一番おいしい状態の
出来たてを提供できる。
自分好みにカスタマイズも可能。
タンクを置く場所が必要になるが、
土地の有効活用の側面も。
初期コストが高額になるが、
物流費はかからない。
店や施設のビジョンに合わせた
選択がブランディングの鍵に!
クラフトビールを導入する方法としてはOEMが真っ先に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。しかし現在はアメリカやドイツのように地域に根差したマイクロブルワリーの存在の影響もあり注目されています。
確かにOEMはマイクロブルワリーに比べると低コストでの導入が叶いますが、土地やスペースが確保できればマイクロブルワリーの魅力も見逃せません。「できたてのクラフトビールを提供できる」「ブルワリーの併設で店・店舗の話題性が高まる」「ランニングコストを抑えられる」といったメリットに加え、何よりも作り手としての面白さ、楽しさが期待できる点も大きな魅力だと言えるのではないでしょうか。
これを叶えられるのは…
マイクロブルワリーを
プロデュースする
アウグスビール
株式会社
2018年にサービスを開始して以来20社以上を支援してきた当サイトの取材協力会社、アウグスビール株式会社COOの村井氏にお話を伺いました。
村井 庸介
1985年生まれ
慶應義塾大学を卒業して大手シンクタンクの野村総合研究所に入社。通信業・製造業の新規事業、経営計画策定などの経営コンサルティングに携わる。
その後、リクルート、グリー、日本アイ・ビー・エムなどで、法人営業・戦略企画・人事の仕事を歴任。
2015年からは小売業の企業再生で黒字化に貢献する中で、「消費者と身近に接する商品・仕事の魅力」に触れる。
独立後、老舗クラフトビールのアウグスビールの坂本社長と出会い、クラフトビール造りにほれ込み株主となる。子会社を立ち上げ、「クラフトビール工場併設型」店舗の立上から運用まで一気通貫で支援するマイクロブルワリープロデュース開始。
全国で20件以上のクラフトビール開業を現在伴走中。
もともとは仲のいいお客さまからの提案で、共同運営でやりましょうということでスタートしました。
ちょうど同じタイミングで別のお客さまからも「何か違うことをやりたい」との相談があり、その時に「マイクロブルワリーはどうですか?」と提案したところ、快諾いただきまして。
「これを事業として展開したらニーズとして世の中に受け入れられるのではないか?」と思い、マイクロブルワリープロデュースを立ち上げました。
もともとは仲のいいお客さまからの提案で、共同運営でやりましょうということでスタートしました。
ちょうど同じタイミングで別のお客さまからも「何か違うことをやりたい」との相談があり、その時に「マイクロブルワリーはどうですか?」と提案したところ、快諾いただきまして。
「これを事業として展開したらニーズとして世の中に受け入れられるのではないか?」と思い、マイクロブルワリープロデュースを立ち上げました。
全部丸投げでお任せできる点において、喜びの声をいただくことが多いですね。マイクロブルワリーのプロデュースは、醸造家やコンサル会社、士業の先生などが対応するケースが多いのですが、それぞれ得意分野が決まっていて、すべてを丸投げできるかというと、そうじゃないことも多いんです。
あとは、数億円とかかかりそうなこの設備が2,000万円でできるんですね、という声をいただくこともあります。
全部丸投げでお任せできる点において、喜びの声をいただくことが多いですね。マイクロブルワリーのプロデュースは、醸造家やコンサル会社、士業の先生などが対応するケースが多いのですが、それぞれ得意分野が決まっていて、すべてを丸投げできるかというと、そうじゃないことも多いんです。
あとは、数億円とかかかりそうなこの設備が2,000万円でできるんですね、という声をいただくこともあります。
ビールって出来たてが一番おいしいんです。マイクロブルワリーを作ることで、その場所で出来たてが味わえること。まずは何よりもここが魅力だと思っています。
ビールって出来たてが一番おいしいんです。マイクロブルワリーを作ることで、その場所で出来たてが味わえること。まずは何よりもここが魅力だと思っています。
ラーメン屋が日本全国にあるように、ひと駅に1ビール屋があってもいいと思っています。
クラフトビールは規模だけを追求していくと、どこかで大手メーカーと同じビジョンになっていきます。そうすると、コストの優先順位が上がって味の優先順位が落ちてしまうんです。
こうした事態を防ぎ、全国に美味しいクラフトビールを広めるためには、その地域にアウグスビールのノウハウ・考え方を落としていくのが一番効率的なんですね。より多くの人に出来立てのクラフトビールを味わってもらえるブルワリーを、さまざまな地域でプロデュースしていけるといいなと思っております。
ラーメン屋が日本全国にあるように、ひと駅に1ビール屋があってもいいと思っています。
クラフトビールは規模だけを追求していくと、どこかで大手メーカーと同じビジョンになっていきます。そうすると、コストの優先順位が上がって味の優先順位が落ちてしまうんです。
こうした事態を防ぎ、全国に美味しいクラフトビールを広めるためには、その地域にアウグスビールのノウハウ・考え方を落としていくのが一番効率的なんですね。より多くの人に出来立てのクラフトビールを味わってもらえるブルワリーを、さまざまな地域でプロデュースしていけるといいなと思っております。
アウグスビールは単なるコンサルティング会社ではなく、こだわりの原料と確かな技術でビールを製造しているメーカーです。
ビールを知り尽くしたメーカーが実務経験をもとに、マイクロブルワリーのプロデュースを行っているのが強みであり、ビール醸造免許の取得、ブランディングなどもトータルでサポートしています。
アウグスビールがマイクロブルワリープロデュースをスタートしたのは、2018年。サービス提供開始以降、日本全国、さまざまな地域でブルワリーの開業をプロデュースしてきました。
2023年6月現在、20社以上を支援してきた実績があり、飲食業だけでなく、印刷業・観光業といったさまざまな業界からの相談に対応しています。
マイクロブルワリーの導入には醸造免許の取得が必要ですが、アウグスビールでは免許取得に必要な内容をオールインワンで提供可能。ほぼ丸投げで依頼できるため、「このタスクができていないから、この作業が進まない」といった、ブルワリー開業にまつわるトラブルを防ぐことができます。
また、原材料や味の相談、原材料を仕入れる商社の紹介などもすべておまかせできます。
将来はあのお酒も作れる!?
クラフトビール工場の拡張性
マイクロブルワリーはクラフトビールだけでなく、将来的にはクラフトウイスキーを製造できる可能性があることをご存知でしょうか?
ビールの製造工程は、麦芽の製造→仕込み→発酵→貯酒・熟成ですが、発酵のあとに「蒸留」という工程を組み込むとウイスキーが完成します。実は、この2つのお酒は原材料も工程もほぼ同じなのです。
さらに、国税庁「酒のしおり(令和4年3月)」(※)によると、日本産ウイスキーの国際的な評価の高まりが後押しし、輸出量は日本酒を抑えてウイスキーがトップ。国内だけでなく、海外からも注目されています。
拡張性があるという点においても、マイクロブルワリーの導入を検討してみる価値はありそうです。
一般ユーザーにも幅広く浸透しつつある、クラフトビールの魅力。ここでは、多くの人にクラフトビールが注目され好まれる理由と、ビジネスとして導入するメリットについてご紹介していきます。
所在地:千葉県銚子市犬吠埼9575-2 犬吠テラステラス1F
電話番号:0479-21-3986
地元で醸造事業を立ち上げたいと思案。しかし、士業等のサポートではうまくいかず、苦戦していました。そこでアウグスビールでは、実務・研修を含めたオールインワンのコンサルティングを提案。導入後は製造したビールが海外コンペティションで受賞、成田空港とコラボするといった成果を出しています。
所在地:東京都港区新橋5-31-7 Kビルディング2F
電話番号:03-6684-6665
本業である印刷業のショールームスペースを有効活用するため、国内に数件しかない横置き型のラガータンクを導入。導入については、事業再構築補助金(新分野展開)を活用しています。事業スタート後は、3ヶ月間にわたって客席はほぼ満席。本業である印刷業の売り上げ低下を下支えする形となりました。
所在地:千葉県香取市佐原イ1894-3
電話番号:0478-55-8910
地元の資産(伊能家の住居跡地)および、農業事業の発展形を模索。アウグスビールより古民家スペースに収まるブルワリーの提案を受け、事業再構築補助金を活用して事業をスタートしました。導入後は、地元の観光祭りでクラフトビールが即日完売。道の駅でも、オリジナルのビールが採用されました。
これからクラフトビールを導入したいと考えている店舗・施設の運営者が、知っておきたい情報をQ&A形式でご紹介していきます。クラフトビールの基礎知識や、事業成功のヒケツについて見ていきましょう。
ここでは、オリジナルビールを製造するにあたって知っておきたい、ビール醸造の工程についてくわしく解説していきます。どのような手順でビールづくりが進んでいくのか、知識として頭に入れておきましょう。
マイクロブルワリーを開業するにあたって、必要となる免許や物件選びのポイントなどをリサーチ。マイクロブルワリーで成功するためのヒケツについてもまとめていますので、チェックしてみてください。
クラフトビールを店舗や施設に導入するために、どれくらいの初期投資が必要なのかを調査しました。開業に必要な費用と、醸造に必要な費用、初期投資で失敗しないための情報についてもまとめています。
事業としてクラフトビールを導入するにあたり、やはり気になるのは利益の部分。本当にクラフトビールで儲けは出るのか、利益を出すために必要な取り組みなどをご紹介していきます。
クラフトビールを店舗や施設等で製造するためには、専門の免許を取得する必要があります。ここではクラフトビールの醸造に必要な免許と取得方法、取得する際の注意点などについてくわしく解説しています。
そのお店や土地でしか飲めないクラフトビールは特別感のあるアイテムですが、客単価の相場はいくらぐらいなのでしょうか。ここでは客単価の目安と、客単価アップにつながる売り方のコツなどをまとめてみました。
ブルワリーを導入したからと言って、それが必ず集客につながるとは限りません。ここでは、導入したブルワリーを有効活用するための集客術についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
一般的にオリジナルビールの製造というとOEMを思い浮かべますが、マイクロブルワリーとはどのような違いがあるのでしょうか。双方のメリット・デメリットを踏まえ、より適した方法を選びましょう。
幅広いユーザーから注目を集めているクラフトビールですが、それを製造するマイクロブルワリーはどのくらいのニーズがあるのでしょうか。全国のビール消費量などのデータから考察してみました。
1からブルワリーを開設するにあたり、必要となるのは資金。ここでは、マイクロブルワリーを開業するために必要な資金の目安と、その調達方法をまとめています。知っておきたい補助金制度の情報も見ておきましょう。
ビールは、製造方法の違いにより大きく「ラガー」と「エール」の2種類に分かれます。ラガーとは低温でゆっくりと発酵・熟成させて作るビールを指し。エールとは、やや高温で早めに発酵・熟成を完了させるビールのことを言います。ここではビールの製造方法による違いやそれぞれどのような特徴があるのかを解説していきます。
地球規模での環境問題が顕著になり、サスティナブルな事業への関心が高まっていますが、クラフトビール業界も例外ではありません。ここではクラフトビールを作るか過程で取り入れられる環境配慮の取り組みや事業モデルの構築について紹介します。
一部のコアなファンのみに商品を提供し続けるだけで良いならば、味にこだわったクラフトビールを作るだけで良いかもしれません。一方、特定のターゲット層に向けて広く市場を獲得したいならば、綿密なマーケティング戦略やブランド戦略も重要です。ここでは、業界で差をつけるためのマーケティング・ブランド戦略について解説しています。
マイクロブルワリーとは「小規模なビール醸造所」のこと。イギリスやアメリカで誕生し、日本でも1994年の酒税法改正をきっかけに、全国のいたるところにマイクロブルワリーが新設されました。価値観や嗜好の多様化を背景に、今後ますますマイクロブルワリーが注目されそうです。ここでは、マイクロブルワリーの定義や歴史、ビール産業への影響などについて解説しています。
マイクロブルワリーを開業しているのは、飲食店やレストランばかりではありません。実は、意外な業種や職種がブルワリーを開業し、注目や成功を収めているのです。ここでは店舗・施設別の活用例をまとめてみましたので、参考にしてください。
もっともマイクロブルワリーを導入しやすいと考えられる、商店や飲食店。どのような店舗がブルワリーを開設しているのか、どのように活用しているのかといった事例をご紹介しています。
観光や休暇を楽しむユーザーに、非日常感や特別感を提供するホテルやキャンプ場といった宿泊施設。その一環として注目されているのが、マイクロブルワリーです。具体的な導入事例を見ていきましょう。
工場や事務所の空いているスペース、活用できていない古民家など、土地の有効活用方法としてもマイクロブルワリーは注目されています。どのような形で導入されているのか、その事例をチェックしてみてください。